ニューフォーク最終編「廃ビル探索」
ニューフォーク:酒場
キリヤがタミオさんの家で怪我の治療と車両の整備をしている。
その間情報収集をかねて、もっともハンターにとって有力な情報が集まりやすい酒場に来ていた。
そこで、ある黒いスーツを着た三人組と知り合ったのであった。
アレックスと名乗る変わったサングラスをかける男、この三人組のボスと言ったところであろうか。
なんでも、この三人組は大破壊前に存在した科学の残りなどを探し回っているそうだ。
かつての繁栄を取り戻すため、らしいけど。
アレックス「この街から北へ砂漠を渡ると、「砂漠の廃ビル地帯」と呼ばれる場所がある」
レイ「ふむふむ(メモメモ)」
アレックス「更に、そこから東に行くとイースト・ゼロがあり、この街の南にある森の奥深くに大破壊前の施設と呼ばれる場所がある」
レイ「イースト・ゼロの南・・・っと」
なぜアレックスがこのような貴重な情報を教えてくれるか?
答えは利害の一致である。
彼らが情報を教えてくれる代わりに何か見つけたときはこちらからも情報を提供する、ということだ。
一見、俺らハンターが一番得しそうだけどね。
一通り話し終わると、三人組は調査をしにどこかへ行った。
レイ「・・・なんか素直すぎるな。まぁ今はいいか」
ティロリローン♪
BSコントローラーにメールが届いたことを知らせるメール受信音が鳴る。
キリヤメール「おーい、心配かけたが俺も車両も問題ねえ。一旦、俺の家に来てくれー」
レイ「ふう、問題無くてほっとした・・・」
タミオ宅:一階ガレージ
タミオ「ほいほい、レイちゃんお帰りなのねー」
レイ「すみません、アニキを怪我させてしまって・・・」
タミオ「そんなの問題無いのねー、そもそもハンターとともに行動する者は常に皆命のやりとりなのだから、怪我だけで済んだだけマシなのねー」
キリヤ「よう、来たな。何かめぼしい情報はあったか?」
レイ「ああ、それなりに進展はあったな。まずは、北にある廃ビル地帯に行こう」
キリヤ「ふむ、あそこには何かあるのか?」
レイ「かもな、ハズレかもしれないが探索するだけしても問題無いだろ。」
キリヤ「わかった、今すぐ行こうぜ」
レイ「おいおい、包帯を頭にまだ捲いているような状態だろ?w」
キリヤ「お前の旅のお荷物になるのは御免だ。それにこれぐらいどうってことない」
レイ「わかった、じゃあ早速調査しに行こう」
タミオ「二人とも気を付けてなのねー」
レイ「はい、いろいろありがとうございました。それと、たぶんしばらくニューフォークには寄る機会が無さそうなので、これで最後ですね」
キリヤ「廃ビルの後はそのままイースト・ゼロに行くつもりか」
レイ「ああ、この辺りの賞金首も一通り倒したしな。いつまでも同じ場所にはいられない」
キリヤ「わかった、俺はお前の言う通りにするよ。現にそれで助かったしな」
タミオ「二人とも、頑張るなのねー。もし、何かあったらいつでも寄るといいのねー」
廃ビル地帯:三つのビルが並ぶ場所
砂漠のど真ん中に廃墟と化したビルが三つ並んでいた。
長い年月、砂塵に晒されていたせいか、ところどころに砂がこびりついている。
スーツを着たお姉さん「やぁ、レイ君。早速調査しに来たみたいだね」
レイ「あ、ヘッケルさん。先ほどはどうも」
とても太った男「少年、ここの説明を細かくしてあげよう」
レイ「お願いします、ジャッケルさん」
キリヤ「(おい、この二人がお前の言っていた情報屋みたいなヤツか?)」
レイ「(うん、とりあえず話しを聞こう)」
ジャッケル「実際、ここにはめぼしい成果は見込めないのだが、大破壊前の施設には変わりないから、一応マークしておこうってことみたいだね。」
レイ「じゃあ、あまり俺達にも期待は持てませんね・・・wそれでは、ちょっくら行ってきます」
ヘッケル「まぁ、あなた達なら問題無いでしょう、最近この辺りが平和になったのはあなた達二人のお陰らしいからね」
キリヤ「え、俺達ってそんなに有名なんですか?」
ジャッケル「まぁ、若いコンビがお尋ね者を2体続けて倒したって聞いたからね。」
ヘッケル「ま、頑張ってね。行くわよ、ジャッケル」
そう言うと二人はさっさとどこかに行ってしまった。
レイ「まぁ、あんな感じの人達だ」
キリヤ「気をつけろよ、何か怪しいものを感じるぜ・・・」
レイ「そうだな。さ、どっから調査する?」
キリヤ「とりあえず、車両で行けるとこ探索しようか。降りるのもいいけど、いろいろとめんどくさいしなw」
レイ「じゃあ、今日は車両で探索出来る範囲にしよう」
どこのビルも車両で探索出来るが、当然のごとく一階までしか確認出来ない。
めんどくさいから、ガンガン車両で見れるとこは見て、さっさと次のビルに移る。
やはり歩かないといけないのか、思っていたよりも収穫は無かった。
そして、最後のビルに入る。
レイ「このビルもハズレかなぁ」
キリヤ「確認してからハズレかどうか見極めようぜ?」
レイ「うん、そうだね・・・左に地下駐車場に続く道があるぞ?」
キリヤ「気をつけろよ、この辺りにもモンスターはウジャウジャいるからな」
まぁ、出てくる敵どいつもこいつも副砲で一撃なんだけどな。
レイ「お・・・おおおおおおおおおお!?」
キリヤ「どうした、レイ!?」
レイ「動きそうな車両があるぞ!なんてラッキーなんだ!」
キリヤ「うわ、本当だ!なんたってこんなところにあるんだよ」
レイ「さぁ・・・まぁありがたくいただこう」
キリヤ「こいつはなんて車両なんだ?」
レイ「ちょっと待って・・・」
デマーグから降りて入念に形や特徴を確認する。
レイ「こいつは、モスキートだ」
キリヤ「ほほう・・・戦車タイプか」
レイ「どうする?アニキがこれ乗るかい?」
キリヤ「んー・・・俺はバギー結構気に入っていたけど、まぁレイの判断に任せるよ」
レイ「じゃあ・・・俺がモスキートに乗るか。デマーグと比べてシャーシが頑丈なんだよ」
キリヤ「そこまでわかるのか・・・さすがキョウジさんの息子だな」
その時、後ろから数名の足音が聞こえてきた。
???「あら・・・先客がいたようね。」
レイ「ええと・・・」
ぱっと見、お嬢様っぽい格好をしている、金髪のロンゲの女性が声をかけてきた。
ローズ「はじめまして、わたくしローズ=ベルディア」
レイ「俺はレイ、そっちはキリヤです」
キリヤ「足りないぞ、俺は天才メカニックキリヤだ」
はぁ・・・初対面の人に向かって何言ってるんだ・・・w
ローズ「とてもユニークなメカニックなのですね」
レイ「ええまぁ・・・w それで、何か?」
ローズ「あなたもハンターみたいね。わたくしもこう見えてハンターなのよ」
ローズの弟っぽい人「お姉さまは戦車が好きで、ハンターになったんですよ〜」
レイ「へぇー・・・ハンターでもあり、戦車マニアでもあり・・・か」
ローズ「そうね、カールの言う通り、賞金首とかモンスターを狩ったりするよりも戦車集めの方に興味があるわ」
レイ「それで、このモスキートを取りに来たんですね?」
執事っぽいおじさん「お嬢様・・・いかがいたしますか?」
キリヤ「おいおい、そりゃどういうことだ?」
ローズ「ちょっと、セバスチャン、その言い方は失礼ですことよ?」
セバスチャン「失礼いたしました、レイ様、キリヤ様」
ローズ「まぁ、無理にでも欲しい車両でもないし、先に見つけた彼に譲るわ」
レイ「譲る、ってw」
ローズ「ふふ、ごめんなさいね。実際、どうしても欲しい車両だったら、交渉でもするとこなんだけれど・・・」
レイ「悪いな、俺もそう簡単に車両は手放す気は無いよ」
ローズ「そうね、それはまた今後こういう事があったら交渉をさせていただくわ」
レイ「ええと、ローズさん」
ローズ「ローズでいいわ。同業者ですし、年もそんなに離れてないみたいだしね」
レイ「じゃあ、ローズ。今度よかったら集めた戦車見せてくれないか?」
ローズ「ええ、いいですわ。ベルディアに来ることがあったら、ぜひ我が家によってくださいな」
キリヤ「・・・アレ?さっき、苗字もベルディアって・・・」
セバスチャン「お嬢様、そろそろお時間でございます」
ローズ「ええ、わかっているわ。それじゃ、またね、レイ」
そういうと、三人は来た道を戻っていった。
キリヤ「・・・んー、結局なんだったんだ」
レイ「さぁな。普通に同業者っぽかったけど、その割にはハンターの風格がなかった」
キリヤ「あのお嬢さんはな。だが、後ろにいた執事は別格だ。」
レイ「え、なんで?」
キリヤ「・・・(あの感じ、きっと凄腕のソルジャーだ)」
レイ「まぁ、収穫はあったし、このままイースト・ゼロに行こう」
キリヤ「ん、わかった、今回はとくに危なげもなく終わったな」
レイ「毎回こうだといいのだがな・・・さ、行こう」
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