ジャンクヤード最終編「激闘!スカベンジャー!」

スカベンジャーの広間


お尋ね者「スカベンジャー」
賞金1000G
データ:ジャンク山に住んでいるモンスター。
     ジャンクの塊でできた人型モンスターなのか、それとも人型生物が
     ジャンクを沢山くっつけた何かを着込んでいるのかはわからない。


レイ「出やがったな、スカベンジャー!」


いろんなジャンクを取り込んでいるモンスターだけあって、まさしくジャンクの塊だ。

そのくせ、人間みたいに腕や足、頭、そして胴体がちゃんとある。

スカベンジャーは、自分の住処に入ってきた俺の気配をいち早く察知したようだった。

そのジャンクの塊とも言える腕で襲い掛かってきた!


レイ「な、ジャンクの塊のくせに動き早い!?」


慌てて、ハンドルを切りなんとか一発目の動きをかわす。

しかし、さすがは賞金首。

そのまま上半身を180°向きを変えてまたこっちに突っ込んでくる。


レイ「ちょ、お前、それありかよ!w」


ズガガガガガ!

そのままタックルを食らい、俺の乗っているバギーが数メートルほど吹っ飛ばされる。


レイ「Cユニット!被害は!?」


車内に取り付けられているキーボードで素早く状態を確認しつつ、車外の様子も確認しなければならない。

くぅ、一人じゃやること多すぎて攻撃に手が回らない・・・!

どうやらダメージは思っていたよりも少ないようだ。

装甲が少し剥がれた程度で全体のダメージ率5%程度。

よし、今度はこっちからって、また突っ込んできた!

今度は正確に攻撃をかわす。

Cユニットが、敵のスピードを見切ってくれて、予想衝突時間を叩きだし、それを元にかわすことができたのだ。

運転技術が追いついてない時にはとても助かるシステムだ・・・w


レイ「ったく、俺の本気見せてやるぜ!」


ポケットからBSコントローラーを取り出し、ジュークボックスモードにする。

激しいヘヴィメタルな音楽がかかり、自分のテンションを上げまくる!


レイ「いっくぜええええ!バギー、しっかり動けよ!」


突然鳴り出した音楽に、スカベンジャーは少し驚いたようだが、あまり気にせずあいも変わらずタックルを仕掛けてくる。


レイ「そこだ、食らえ!」


主砲のスイッチを押し、ずどおおおん!と重低音が鳴り響く。

主砲がスカベンジャーの足にヒットし、前のめり状態で顔から派手にすっ転ぶスカベンジャー。


レイ「よっしゃー、そのままじっとしてやがれよ!」


倒れてもがいてるスカベンジャーの回りを高速で旋回し始めるバギー。


レイ「これでどうだ!名付けて360°乱れ撃ちぃぃぃぃ!」


主砲と副砲を横に向けて、その先にいるスカベンジャーに容赦無く連射する!

ずどどどどん!

だだだだだだ!

ずどどどどん!

だだだだだだ!


レイ「ふ・・・これならたとえ賞金首でも無事には済まないだろ・・・何!?」


土煙の中から現れたのは、ボロボロになりつつもまだ闘志を燃やし続けるスカベンジャーであった!

先ほどよりも素早いスピードで接近してくる!


レイ「な、そのスピードはどっから出てくるんだ!?」


どうやら、360°乱れ撃ちでダメージは相当当たったものの、体のジャンクが剥がれて身軽になったようだ。

スカベンジャーに捕まり、両手でバギーを持ち上げられる!


レイ「てめええ!その手を離せ!」


持ち上げられながらも、右手に主砲を浴びさせる。

右手がちぎれて吹き飛んだが、左手だけで放り投げなれるバギー!


レイ「ぐが・・・ってぇ・・・頭ぶつけた・・・」


頭を派手にぶつけたせいか、血が垂れてきた。


レイ「教訓として・・・今度からくたばるまで撃ち続けることにする・・・」


今のが最後の力だったのか、スカベンジャーはぐったりしている。


レイ「悪いな、こっちも生活かかってんだ、やらせてもらう!」


そして、人間で言うとこの心臓付近に目掛けて主砲を撃つ!

主砲の弾はそこを貫通し、スカベンジャーは完全に沈黙した。


レイ「・・・へへ、勝てた」


バギーから降りて、スカベンジャーをBSコントローラーでデジタル写真を撮る。

ハンターオフィスでお金をもらうために、証拠が必要となるため、皆こうして倒した賞金首を撮るのだ。

こうして、俺は初めての冒険を終えることになる。

ボロボロの車両と、ボロボロの俺の姿を見た母さんは溜息をついていたが、賞金首を倒して得たお金を見せてはしゃぐ俺の様子を見ていると笑顔になっていた。


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